希望ヶ丘デンタル(歯医者)の院長安田です。
歯周病は、糖尿病、心血管系疾患、誤嚥性肺炎、骨粗鬆症、早産・低体重児出産など、
さまざまな全身疾患と関連性があるといわれています。最近では、メタボリックシンドロームとの関連性も指摘されています。
糖尿病の方は、糖尿病ではない方に比べて、歯周病になる頻度が2~3倍高く、また歯周病の進行が早く、治るのも遅くなります。
その理由として、糖尿病の方は、細菌の攻撃に対して自分を守る免疫の働きが低下しており、組織を元通りにする力も弱いため、
炎症による組織破壊が進行しやすいからです。
糖尿病をもつ歯周病患者に歯周治療を行うと、血糖値が改善したという報告が多数あります。
言い換えれば、歯周病は糖尿病を悪化させる要因のひとつである可能性がきわめて高いということです。
そのメカニズムとしては、炎症時に歯周組織で増加したある特定のサイトカインが、血液を介して肝臓、
筋肉、脂肪組織に運ばれ、インスリンの作用を邪魔して細胞内へのブドウ糖の取り込みを阻害し、血糖値を上昇させると考えられます。
したがって、糖尿病をもつ歯周病患者に歯周治療を行うと、歯周組織で分泌されるサイトカイン量が減少し、
細胞内へのブドウ糖の取り込みが増して血糖値が改善すると考えられています。
というわけで、糖尿病の方は内科受診とともに歯科受診をお勧めします。
歯周病のチェックをし、予防することで糖尿病のコントロールをしましょう。
2015.04.29更新
歯周病と糖尿病
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