医院ブログ

2015.10.23更新

むし歯になりやすいかどうかは「食習慣」「むし歯菌の数」「唾液の質」の三角関係を保つことが大事なのです。

 

『食習慣』

砂糖のとりすぎ以上に虫歯と深く関わるのが、「摂取する回数」です。

 

ちなみに砂糖は「1日に何グラム以上」という量よりも、「どれだけ口に長く残るか」のほうが重要ですので、飴やキャラメルなどは非常にハイリスクになります。

 

ミュータンス菌の栄養分となる食事や飲み物が入ってくると、およそ3分で菌が活動を始めるのですが、まずは口内を酸性に傾けて歯を溶かす「脱灰(だっかい)」からスタートします。

 

しかし食後から時間がたつと、唾液によって口内は中性に戻り、再び虫歯ができにくい環境になるのです。この修復システムを「再石灰化」といいます。

 

つまり1日に何度も飲食を繰り返すと、再石灰化するヒマもなく口内が酸性に保たれ、それだけむし歯ができやすくなるのです。しょっちゅうお菓子をつまむ、常に飴を舐める、ダラダラと食事をする人などは高リスクといえるでしょう。

 

『むし歯菌の数』

 

むし歯に関係する菌は2種類です。ミュータンス菌とラクトバチルス菌です。

 

ミュータンス菌はむし歯を引き起こす菌で、この菌がどれだけ口内にいるかによって「できやすさ」は変わります。ミュータンス菌は赤ちゃんの口には存在せず、多くは親など他者からの感染によって入ってくるものです。

 よく「虫歯は遺伝する」といわれますが、正確には親の持っているミュータンス菌が、幼少期の子どもに感染することが主な原因と考えられています。

 

また、ラクトバチルス菌はむし歯の進行に関係し、ミュータンス菌によって脱灰(歯が溶け出すこと)されたあとに繁殖し、むし歯を進行させ、歯と詰め物、被せ物の隙間に生息しています。

 

ちなみにむし歯菌の数は、「カリエスリスク検査」という唾液を採取する検査で調べることができます。

 

○歯並びや歯の形状

 

八重歯があるなど歯並びがデコボコしていると、歯ブラシが届きにくいためむし歯リスクは上がります。また歯の表面に深い溝があるなど、形状によっても虫歯のなりやすさは変わります。

 

いつも同じような部分がむし歯になる人は、デンタルフロスを使うなどしてしっかり清掃するか、矯正歯科などで相談してみるのもいいでしょう。

 

 

『歯・唾液の質』

歯が作られる時の環境の違いなどで個人差がありますが、エナメル質や象牙質の状況(=歯の質)によって、むし歯になりやすい人もいます。特に乳歯や永久歯が生えたばかりの子どもは注意が必要です。

 

また、ネバつきがなくサラサラした(「水」に近い状態の)唾液が「良い唾液」なのですが、質が良くても「量」が少ない場合は唾液の十分な機能が発揮されません。

 

○口呼吸をしている

唾液には口の自浄作用があり、細菌が繁殖しにくい状態にしてくれます。ですから唾液の分泌が大幅に減ってしまう睡眠中に、むし歯ができやすくなるのです。

口呼吸が多い人はそれだけ口の中が渇きやすいため、むし歯のリスクが上がります。

投稿者: 希望ヶ丘デンタル