今年もインフルエンザが流行りだしています。
日本ではインフルエンザは12~3月に流行します。冬は温度も湿度も低く、空気中に漂っているウイルスが長生きできるからです。また、乾燥した冷たい空気で私たちののどや鼻の粘膜が弱っていることも流行する原因のひとつだと言われています。
インフルエンザを予防する対策としては、昔から手洗いとうがいの励行が挙げられています。ただ、最近の研究ではもうひとつ口腔ケアもインフルエンザ予防に力を発揮することがわかってきています。
なぜ、口腔ケアがインフルエンザの予防に役立つのでしょうか。インフルエンザウイルスが体の中に入って増殖するには、あらかじめプロテアーゼという酵素によってウイルスの表面が変化させられている必要があります。プロテアーゼは気道の細胞で作られますが、口の中の細菌でもつくり出されることがわかっています。
このため、歯磨きなどの口腔ケアを行うと口の中の細菌が減り、その結果として細菌がつくりだすプロテアーゼの量も減少、インフルエンザの発症が抑えられることになるのです。
ある介護福祉施設で、高齢者に対しブラッシング指導や歯垢を取り除くなどの口腔ケアを実施したところ、口腔ケアを実施しない施設と比べてインフルエンザ発症率が10分の1に激減したという実例も報告されています。
歯の健康を守り、インフルエンザを予防するためにも、お口のケアをしっかりしましょう。