「歯ぎしり」は、自分ではなかなか気づかないものです。
睡眠中にギリギリと音をたてたり、カチカチとかみ合わせているのを周りから指摘されて気づくというのがほとんどです。歯ぎしりは、一緒に寝ている人などに迷惑を及ぼすだけでなく、歯ぎしりをしている本人の歯などにも影響があります。
歯ぎしりが起きるメカニズムは正確にはわかっていません。以前はかみ合わせの悪さが原因と考えられていましたが、最近は直接的な要因ではないとされています。ストレスとの関連が深いとされており、歯ぎしりをすることにより、不安や憂鬱を発散させているとも言われています。
歯ぎしりをする本人への影響ですが、歯は垂直の力には耐えられる構造となっているものの、歯ぎしりのような横からの力には弱くなっています。このため、歯ぎしりが長期間続いた場合には、歯と歯槽骨を結合する歯周組織が傷んでしまう恐れがあります。また、歯周組織の状態が良くても、歯ぎしりによって、歯が摩耗したり、咀嚼(そしゃく)筋や耳の前の顎関節に負担がかかることもあります。
歯ぎしり自体を止める治療法はまだ確立できておらず、歯ぎしりによる歯や顎関節への負担を減らすためにマウスピースをつけることが多くなっています。マウスピース自体では歯ぎしりを減らせませんが、上下の歯が直接触れないようにしたり、顎関節への負担を減らすことで、結果的に歯ぎしりが落ち着くこともあります。
また、ストレスをため込まないようにすることも、歯ぎしりの予防になりそうです♪