むし歯・歯周病

むし歯

歯が痛い、歯がしみる

むし歯とは、細菌であるミュータンス菌などが口の中で作り出した酸によって歯を溶かす症状のことをいいます。むし歯の代表的な症状は、歯の痛み、冷たいものや温かいものが歯にしみることがあげられます。むし歯は、初期段階ではほとんど自覚症状がないため、これらの症状が出てきた時にはある程度進行しているものです。ケガはいずれは治りますが、歯は一度溶けてしまうと元には戻りません。気づいた時には抜歯が必要になっていることもあります。

むし歯発症の3大要因

むし歯の発症には、次の3つのことが大きく関与しています。①細菌:ミュータンス菌、ラクトバチラス菌など(むし歯菌)②基質:砂糖、炭水化物。③宿主:歯の質、歯並び、唾液の性状、全身疾患など。したがって、これらのいずれかをコントロールすればむし歯を予防することができます。そのためには、どの項目に弱点があるかを調べる必要があります。当院でお勧めしているのは「唾液検査(サリバテスト)」です。むし歯に関する原因因子を調査し、現在のむし歯の活動状況や、今後むし歯に罹患する危険性などを推測し、対策を立てることができます。

歯周病

歯周病は患者数がもっとも多い病気

歯周病は、プラーク(歯垢)の中の歯周病菌が歯ぐきの炎症を起こす病気です。実は歯周病は、「世界でもっとも患者数が多い病気」としてギネス世界記録にも記載されるほど身近な病気でもあります。日本は先進国の中でも歯周病患者が多いとされており、厚生労働省が平成23年に行った患者調査の概況によると、継続的に歯肉炎および歯周疾患の治療を受けているとされる患者数は265万人以上にのぼる、と報告されています。

歯周病と全身の病気の深い関係

歯周病が進むと歯ぐきからの出血、歯がぐらぐらするという症状が始まり、最後には歯を支えている顎の骨が溶け、歯が抜け落ちてしまいます。初期段階では自覚症状が少ないため、いつの間にか進行してしまい、気づいた時には手遅れということも珍しくありません。歯周病にかかると症状の進行に応じて歯ぐきの腫れ、出血、歯のぐらつき、口臭が見られるようになり、最終的には歯を失うことになります。近年では、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、認知症、低体重児出産、早産、骨粗しょう症、動脈硬化、肺炎など、さまざまな全身疾患との関係も報告されています。